<洋書紹介>恐怖のない職場でのびのび働きたいよね・・・『Fearless Organization』
洋書を読んだので紹介します。
英語でビジネス書を読み通せたのは初めてかもしれない。
『the fearless organization』by AMY・EDMONDSON
かかった時間12時間半くらい。しんどかったぜ。
そもそもなぜ洋書を読み始めようとしたのかというと、英語の勉強とかもあるんだけど、
以前、話題になっていた「ティール組織」ってあるじゃないですか。あれが、すごい自分には革新的で衝撃受けて「こんな革新的な考えがあったんだ!」って思ったんですけど、原本発売されたのは2014年だったんですよね。やっぱ日本、遅れてるんかなって思って。
そういった新しい組織心理の考え方をいち早く取り込もうというミーハー根性のもと2018年11月に発売したてだったこの本をまずとってみたという次第です。
著者について
エドモンドさんはよく知らないけど、ハーバードのような大学で教授していたり、グーグルとかの組織開発に関わっていたすごい人だ。
「心理的安全性」とテーマに研究してて、TEDにも出てるし、世界で最も影響力のあるビジネス思想家に選ばれているらしい。
そんな感じの人だ。
感想
ちょっと短い内容で済むものを無理やり薄めて1冊の本にした感がある。
繰り返しが多いからかな。どんだけ例出てくるんだよってくらいに様々な企業の事例が出てくる。具体的でよいという面もあるけど、英語だからなかなか進まなくて困ったよ。
とはいえ「心理的安全」というものは私自身の「人々がホールネスを持って(偽りをもたずに)仕事することを支援したい」という目標にも必要不可欠な要素であるので、参考になりました。
勝手にまとめてみると・・・
今の世の中はVUCA(Volatility・Uncertainly・Complexity・Ambiguity)と言われていて
とにかく変動が激しく、不透明で何が起こるかわからない。確かにトランプ大統領はいまにもミサイル発射したっておかしくない、そんな世の中だ。
そういうデンジャラスな世の中で企業が成長を続けるにはなにが必要かというとそれが「心理的安全」なのである。
これがないと企業は革新しつづけることができないし、従業員も不満がたまってブラック企業に落ちぶれていってしまう。
「心理的安全」とはなにかというと、「みんなが自分の意見を率直に言ったり、わからないことをわからないといえる環境」って感じかな。お互い仲良しこよしで助け合って、楽しいね!というユートピアではないことに注意されたし。
安全のない職場とはどういう感じかというと
・上司が間違っていると思っても気まずいから言えない。
・バカと思われるから質問できない
・失敗されたら無能と思われるから挑戦できない
などである。
私も経験あります。授業とか会議とかで「質問ありますか?」って聞かれたときに
質問があっても手を上げられないという状況。そんで先生とかが怒り出す。「質問がないということはちゃんと聞いてないからだ」「会議でそんな受動的な態度でいいのか」
みたいな。だって恥ずかしいんだもん。そんで教室はもっと恐怖に支配される。
この本の中でも病院内で看護婦が薬の量がおかしいなって思ってたけど、ドクターに意見するのは気まずいなと思って意見できなかった例があるけど、命のかかる職場でも「気まずいから」って理由で意見を差し控えちゃうのが人間である。人間は恥ずかしがりなのだ。
このもろさには合理的な理由がある。
意見を言ったことで認められるかわからないけど言わなければ確実怒られることはない
つまり
不確定な利益<リスクなし だったらリスクを冒さないよねという仕組み。
こういうハニカミ屋さんたちの職場に「心理的安全」を創出し、活発な議論やお互いに教えあう環境にすれば、
みんな楽しいし、新しいアイデアも生まれて組織も活性化するし、素晴らしいよな
って考えがエドモンドさんの言ってること。
じゃあ成功している企業はというと、ピクサーとかなんだけど
ピクサーにはこんなルールがある
・フィードバックは建設的であること。その人への批判ではなく、プロジェクトそのものに対する批判をすること。
・上司からの提案は唯一無二の処方箋じゃない。ただの選択肢の一つ。
・フィードバックは相手が間違ってると証明するのではなく、相手に協力したいという感情の表現であるべき
そのほかリーダーがすべき行動姿勢が書かれてるけど、
もう書くの疲れてきたし、ボスじゃなくて一般社員ができる「心理的安全」創出方法を書いておこう。
3種の効果的な言葉
・I don’t know
・WHY?
・What can I do for you?
つまり、自分の無知や弱さを認め、謙虚な好奇心でなぜと質問し、そして協力的であること
うん、結構当たり前のことだ。
そうなんです、当たり前なんですよ。心理的な安全って。人間として善良であればみんなできることなんだけど、この競争的な社会がそれをムズカシクしているのかもしれないな。
でもこの概念は割とエポックメイキングなもので、
いままで利益のためにイケイケだった資本主義社会では、
他人を蹴落とす冷酷な人間が賛美されていたことも多々あったけど
いまじゃ「善良であること」が成功の条件であるといわれてる(前からかもしれないけど、感覚的に)それって結構救いだ。
営業マンだった時代は「いいやつ」でいることがコンプレックスだった。
お客さんに商品をごり押しできなかったから。
でも、こういう組織な「いいやつ」のままでも成功できるんじゃないか、
そう思えました。
オワリ